日本国内閣総理大臣、トルクメニスタンへ公式訪問

 安倍晋三日本国内閣総理大臣は、2015年10月22日から24日まで初めてトルクメニスタンを公式訪問しました。23日の朝、歓迎を受けた安倍総理の車列は騎馬隊に同行され、オグズハーン大統領宮殿に到着しました。
 宮殿の入り口でトルクメニスタンのグルバングルィ・ベルディムハメドフ大統領が安倍総理を歓迎しました。歓迎式典後、ベルディムハメドフ大統領と安倍総理の間で、日トルクメニスタン首脳会談が行われました。  
  その後、会談は両国の公式代表団も参加する形で続けられました。  会談では、「両国は現代の国際政治における根本的ないくつかの問題に関して同じ理念を共有している」ことが述べられました。これは何よりも、中央アジア、アジア太平洋地域と世界の安定・安全保障の強化に関係しています。トルクメニスタンと日本は核不拡散体制の確保に関連する国際的に認められた基準や規制を遵守するため、軍縮問題に多くの注意を払っています。  
  拡大会合後、署名式が行われました。式では「日本国とトルクメニスタンとのパートナーシップ深化に関する共同声明」をはじめ、「東京外国語大学とトルクメニスタン国際人文・開発大学の学術交流協定」、「トルクメニスタン国立対外経済関係銀行(TFEB)と日本貿易保険(NEXI)の協力枠組みに係わる了解覚書」、「MEJとトルクメニスタン保健医療工業省の協力に関する覚書」、「トルクメニスタン鉄道運輸省との鉄道運輸分野における協力覚書」、「日本国文部科学省とトルクメニスタン教育省の教育・科学分野における協力覚書」、)「MIHO MUSEUMとトルクメニスタン文化省の文化協力覚書」、「外交・公用査証免除に関する文書」、「防災分野における日本国政府とトルクメニスタン政府の協力覚書」、「トルクメニスタン赤新月事務局と駐トルクメニスタン日本大使館による、トルクメナバット特別支援学校における職業訓練のための温室建設計画」など、約10の文書が署名されました。
 
  続いて、ベルディムハメドフ大統領と安倍総理が共同記者発表を行いました。
 その後、ベルディムハメドフ大統領と安倍総理は、コペットダグ山の麓に位置している大統領競馬場を訪れました。安倍総理は大きな関心を持って、「天黄金の馬」 と呼ばれるアハルテケ馬の繁殖・育成から乗馬訓練、新世代の専門職や騎手の養成まで行う大統領競馬場を参観しました。そして記念に、総理夫妻は最高ランクのアハルテケ馬と写真撮影を行いました。  
  大統領競馬場の訪問後、ベルディムハメドフ大統領と安倍総理はYYLDYZホテルに向かい、「日本・トルクメニスタン・ビジネスフォーラム」に出席しました。本フォーラムにはベルディムハメドフ大統領のほか、両国政府関係者と民間経済関係者約280名が参加し、日本・トルクメニスタンの経済関係強化に向け、活発な意見交換が行われました。

  フォーラムではベルディムハメドフ大統領がスピーチをし、「トルクメニスタンが中立政策を決定することによって、トルクメニスタン市場の魅力が大きくなった」と述べ、同国の政治的安定と近代的な法制度を強調しました。また、トルクメンのリーダーは、パートナーシップ優先分野における「健康、農業、エネルギー、観光、通信、電気通信、コンピュータサイエンス」を取り上げ、日本のパートナーに「近代的な設備・新しい管理技術とソリューションの導入と装備」を提案しました。  
  その後、安倍総理がスピーチをしました。総理は「中央アジア訪問をトルクメニスタンから始められ、大変光栄に思っている」と述べ、二国間ハイレベル会談の結果により、総額約180億ドルを超える案件が結ばれたことを歓迎しました。そして、実りある仕事をしたビジネスフォーラムのすべての参加者に感謝の意を表しました。
  続いて、二国間文書に署名する式典が行われました。式典では、「金融分野における協働に関する覚書」、「ガルクィヌィシ・ガス田第3期開発プロジェクト用ガス処理プラント建設の枠組み協定」、「イランリーにおけるポリエチレン製造プラント建設の了解覚書」、「 燐酸・リン系肥料製造プラント建設の枠組み協定」、「キャンルィ地区におけるポリマー製造プラント」、 「トルクメニスタンにおけるJAPAN-GTL プロジェクト実施へ向けた協力覚書」、「三菱商事と国営コンツェルン“トルクメンヒミヤ”との協力に関する包括的な枠組み協定」、「トルクメニスタン・ゼルゲル・シンプルサイクルガスタービン火力発電所新設案件のEPC契約」にサインがされました。
  フォーラムの最後に、日本トルクメニスタン経済委員会会長/伊藤忠商事顧問の小林洋一氏がすべての参加者を代表して、ベルディムハメドフ大統領と安倍総理、に二国間のビジネス・パートナーシップに関する詳細な議論に対する深い感謝を表明しました。
  その後、マフトゥムグルィ名称トルクメニスタン国立総合大学で名誉教授号授与式が行われました。日本の総理大臣に対する敬意として、マフトゥムグルィ名称トルクメニスタン国立総合大学名誉教授号が安倍総理に授与されました。
  安倍総理夫妻は、23日午後、大統領宮殿でベルディムハメドフ大統領主催の晩餐会に出席しました。
  冒頭、ベルディムハメドフ大統領によるスピーチ及び乾杯の音頭があり、これに続き、安倍総理によるスピーチがありました。安倍総理は、「ベルディムハメドフ大統領がこの2年間で2度も訪日している」ことに触れ、「トルクメニスタンが、日本の総理大臣として史上初となる今回の中央アジア5カ国訪問の最初の訪問地となったこと」に言及しました。安倍総理はまた、「日本の経済界からも同行を得た今回の訪問は二国間関係を飛躍的に発展させる」との確信を述べました。
  その後,晩餐会は終始和やかな雰囲気で行われました。
  晩餐会後,安倍総理はベルディムハメドフ大統領による茶会に出席しました。茶会は大統領宮殿内にある伝統的テント型住居「ユルタ」で行われました。
  10月24日朝、安倍総理はアシガバットを後にしました。